午後1時前、午前の宮入の順番どおりに、番場屋台を先頭に、宮側、東町と神社を次々と出発して、本町交叉点を直進して中村町方面へ向いました。既に自町の会所を出て、本町通りを本町交叉点迄進み出て待機していた大きな八棟屋根が特徴の本町屋台が、神社を出て本町交叉点へ進んで来た隊列4番目の熊木笠鉾を出迎える格好になりますと、一段とお囃子を力強く打ち鳴らし、舞台上の"うわのり"の子供達が金張りの扇子を大きく振り上げ、振り下ろしますと、黄金色の羽根を持った蝶が飛び回るようにキラ、キラと輝き、躍動感があって見事な眺めでした。 8基の屋台・笠鉾が整列する場所は、子供広場前の広まった道の交叉点です。本町交叉点から距離にて1キロメートル位のところですが、道幅が狭く、曲がり角もあって、屋台・笠鉾とも方向転換に時間が掛かり、40分余りを要して広場前に到着しました。荒川にも近く、眺望が広く開けた郊外です。白い夏雲が浮く晴天のなか、秩父の象徴の武甲山を背景に屋台・笠鉾が整列を始めました。中型とは云え、人間だけでも総勢20人以上が乗る屋台・笠鉾 はかなりの重量になります。ですから、整列場所での方向転換は労力と手間が掛かります。酷暑のなか、汗で全身がびっしょりの舵取り衆が、拍子木や大きな声を掛け合いながら、きびきびとした動きで作業する様子を見るのも祭りの醍醐味です。
隊列の最後の本町屋台に続いて、川瀬祭りと夏まつり と大書された"うちわ"をかざして、神社行列の先頭の神官の一行が整列列会場に入って来ました。笛太鼓の御囃子隊列に続いて、各町の御供物の隊列、数十人の氏子に守られた神社御輿が、勢揃いした屋台・笠鉾の前を通過して、荒川川辺の斎場へと進みました。
梅雨明けしたばかりの夏空から降り注ぐ強い陽射しで、頭がボーっとなって来て、とうとう我慢しきれず、近くのスーパーの店内に一時避難させて貰いました。店内に入って、冷気がこれほど爽快に感じたのは初めてでした。店の通路には、祭り衣装の若い男女が幾人も座り込んでおりました。この日の秩父の気温は、体温より高い37.8度と日本一だったこと、家に帰ってニュースで知りました。カメラを構えていた腕には時計のバンドの痕がクッキリと残ってしまいました。
夏祭りの川瀬祭りは、"こどものまつり" となってますが、理にかなった面もあるのでは、と感じました。それは、こうやって子供達を前面に出して、曳き山を運行することで、お囃子の習得、屋台・笠鉾の操作、運行の手順・作法などが実体験できて、成長し大人になったら、今度は大型の屋台・笠鉾を担当するという連携がとれるので、無駄がなく、地元のお祭りに自信と大きな誇りを持っておられる秩父の皆さんの叡智を感じました。祭りを主管する神社と、付け祭りとしての曳き山を造り、曳行する庶民・町民、大人・子供に、伝統文化の継承を自覚させて、うまく分担させた先人の知恵に敬服します。
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